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災害復旧が終わっても、これからも地域の維持に欠かせない建設業。ワーク・ライフ・バランスの充実で人材確保へ。

  • 石川建設工業株式会社

今回お話をうかがった方
総務部 主幹課長
古内 秀夫(ふるうち ひでお)さん

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積極的に認定を受け3Kイメージを払拭

 当社は福島県や南相馬市が発注する公共工事の元請け企業で、震災後は従来の土木建築に加えて、除染やモニタリングなどの環境事業にも取り組んできました。
 震災時点での社員は25人。それまで少数精鋭で事業を続けてきたこともあり、各自の能力は高いのですが、一気に仕事が増えて人手不足が続いています。現在、45人(役員除く)いる職員の平均年齢は47歳になり、若手が少ないのが課題になっています。培った技術をつなぐためにも、若い世代を育てることが急務です。
 建設業は、「きつい」「汚い」「危険」というマイナスイメージが先行しがちです。そのような中でも、当社には「働きやすい職場環境」があることをぜひ多くの人に知ってもらおうと、平成26年に福島県次世代育成支援企業認証制度の「子育て応援」中小企業、平成28年には「仕事と生活の調和」推進企業、「働く女性応援」中小企業の認証を受けました。これら3つの認証取得は企業としてのイメージアップはもとより、入札参加資格の加点という大きなメリットもありました。

実力主義で女性社員の半数が役付きに

 認証取得が新聞などで紹介されると、同業他社から「どうやって認証を受けるのですか?」と問い合わせがありました。「業界全体が良くなっていけば」との思いもあり、提出書類の揃え方などを惜しみなく伝えました。また、「認証を受けるためにどんな取組をしたのか?」とも聞かれますが、実のところ当社の場合は認証を受けるにあたって新たな取り組みは必要がなかったのです。
 「女性活躍推進」に関して言うと、現在6人いる女性社員のうち3人が役付きで、そのうち管理職が2人います。土木部次長はもともと事務職として入社した女性です。本人の希望で技術を学び現場監督になりました。女性も男性も関係なく管理職に登用していく土壌になっているのは、性別や学歴ではなく「仕事ぶり」で役職を付ける「実力主義」の会社の方針があります。
 平成26年には男性社員が4ヵ月間の育児休業を取得しました。また、配偶者の出産の際に2日間付与される「配偶者出産休暇」も定着してきました。男女の区別なく一人ひとりの状況にあわせて社員を大切にし、やる気を引き出していくのが当社の考え方です。
 現在は、厚生労働省が打ち出している規定の休日に有給休暇を組み合わせて連休を実現する「プラスワン休暇」で有給休暇を計画的に活用しようと呼びかけています。休養をしっかり取らないと、事故や病気につながります。「休める時には休もう」と会社のトップが働きかけることは、労働安全衛生の視点からも大切なことだと思います。

ワーク・ライフ・バランスで持続可能な地域づくり

 次世代育成支援を目的とした育児休暇の他に、これからは家族に「介護」が必要になった時の制度が重要になってくるはずです。出産・育児と比べて介護は急に必要になりますし、見通しがつかないことも多いものです。その時に備えるために、育児・介護休業法の施行に合わせて当社ではすでに就業規則の内容を見直しています。
 建設業は地域になくてはならない存在であり、事業の存続は地域の存続でもあります。災害復旧はもちろん、道路や建物があることで日常生活は成立します。それを支えているのはやはり「人」です。ワーク・ライフ・バランスを推進し、一人ひとりの社員を大切にすることで、持続可能な地域づくりを目指していきたいと思います。(2017年1月取材)

基本情報
事業内容
総合建設業、一級建築工事部門
企業名
石川建設工業株式会社
創業
1948年
所在地
福島県南相馬市原町区大町三丁目30番地
TEL
0244-23-6117
FAX
0244-23-3611
代表者
代表取締役 石川 俊
従業員数
46名
URL
http://www.iskw-kk.co.jp

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