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福島県初の『プラチナくるみんマーク』取得企業

  • 日本テキサス・インスツルメンツ株式会社(旧 日本テキサス・インスツルメンツ・セミコンダクター株式会社)会津工場

今回お話をうかがった方
会津工場 人事部 部長
門口 壮一(かどぐち そういち)さん

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全女性社員で構成される『WIN』が発足

 日本テキサス・インスツルメンツ株式会社(旧 日本テキサス・インスツルメンツ・セミコンダクター株式会社)(以下「TI」という。)は半導体などの製造を行うグローバル企業で、2010年に会津工場が生産拠点に加わりました。現在、約400人が働いており、その1割が女性です。
 ビジネスを強くするためには、「異なった経歴、経験、考え方をもつ多様な人々の才能を最大限に活かすこと」が重要であることから、2012年に工場長がダイバーシティ強化宣言をしました。はじめに「ダイバーシティ」の考えを社員に普及させるため、身近な違いである「ジェンダー」(社会的性差)をテーマに全女性社員との対話会を開催しました。併せて女性社員の意見調査や管理職へのインタビュー、ダイバーシティを考えるコラムの発行などを行いました。これらの取組を経て、生まれたのが『WIN』(ウーマンズ・イニシアティブ・ネットワーク)というチームです。
 メンバーは全女性社員で、参加は任意。活動内容は多岐にわたりますが、例えば海外から女性のエンジニアや幹部社員が来た際には、WINのメンバーと一緒にトークセッションを開催しています。「自分はこうありたい」というモチベーションをしっかりもった海外の女性社員とのフランクな話し合いの場は刺激になっているようです。

次世代育成のために男性社員も働きやすく

 次世代育成支援には、会津工場がスタートした年から取り組んでいます。2010年から2013年までを第1期として、手探り状態の中で、男性育児休業者の体験談を社内イントラネットで紹介したり育児休業者に休業中に利用できる教育援助制度の利用案内を送付するなどの「育児休業を取りやすく職場復帰しやすい環境の整備」、配偶者の出産休暇に関する資料を作成し「配偶者出産休暇の取得推進」、フレックスタイム制度やノー残業デーの導入、長期休暇取得奨励期間を設けることで「所定外労働の削減や年次有給休暇の取得促進」などに取り組みました。これらの取組について、2014年3月に会津地区で初めて厚生労働省による子育てサポート企業として『くるみんマーク』の認定をいただきました。
 次に、2014年1月から2015年12月にかけての第2期では「両立支援を含むライフスタイルの多様性を鑑みた全社員のワーク・ライフ・バランス実現」を目標にしました。端的に言うと「女性だけでなく、男性社員も働きやすい環境を整備していこう」ということです。その取り組みは、子の看護・介護・ファミリーケア休暇を時間単位で取得できるようにするなど「より利用しやすい制度の導入」、育児・介護・医療・健康についての「24時間相談窓口サービス」、2日間だった配偶者出産時特別休暇を5日間に増やし、週休日と合わせ実質1週間休めるようにしました。これらの取組と合わせ、「どんなに良い制度を導入しても、それを利用できる職場環境を整備しなければ意味がない。」との考えから、固定的な性別役割分担意識を是正し多様性を理解するために部署ごとにワークショップ形式の「ダイバーシティ出前研修」を開催しました。制度の整備と多様性という考え方が浸透することで目標が実現できると考えます。

配偶者の出産時、約96%の男性社員が休暇を取得

 第2期の2年間、当社では配偶者が出産した男性労働者23人のうち22人(約96%)が育児休業または配偶者出産時特別休暇を取得しています。なかには2ヶ月の育児休業を取得した男性もいました。彼は「育休中に周囲に負担がかからないよう日頃から職場でコミュニケーションをとることがとても重要である」ことを実感し、イントラネット上でフィードバックしていました。奥様は「体力が戻らずに大変な時にサポートしてもらって助かった。生まれたばかりの赤ちゃんとしっかり向き合い大切な思い出が出来たことに感謝している」というコメントを寄せてくれました。
 これらの活動が認められ、2016年には福島県内で初めて厚生労働省による子育てサポート企業のなかでも高い水準の取組を行っている企業として『プラチナくるみん』を取得することができました。弊社の製品は直接使用者の目にふれる機会が少なく、なかなか一般の方には社名を覚えていただく機会がありません。そのようななかで、弊社の取り組みが広く紹介されたことは誇らしく、うれしいことだと受け止めています。

よりよい形で継続し企業風土・文化に

 「ダイバーシティ推進」も「次世代育成支援」も、強い想いで続けていくことが大切です。そのためには、トップの信念を社員がきちんと受け取っていく仕組みをつくらなければなりません。幹部社員はその活動を理解して、ねぎらったり認め合う。社員一人ひとりは何を目指しているのかビジョンを常に意識しながら活動する。そうすることで、よりよい形にしながら継続していくことができます。最初はトップダウンでも、浸透すれば企業風土・カルチャーになっていくものです。
 女性活躍推進法に伴い、TI会津工場でも2016年からの行動計画を策定しました。そのなかでは、採用に占める女性の割合を現状よりも5%アップする、現状ゼロの女性マネージャを5%にするという目標を掲げています。こちらも同じように、「達成していかなればならないもの」として取り組んでいきます。(2016年8月取材)

基本情報
事業内容
集積回路(IC)の製造
企業名
日本テキサス・インスツルメンツ株式会社(旧 日本テキサス・インスツルメンツ・セミコンダクター株式会社)会津工場
創業
2010年
所在地
福島県会津若松市高久工業団地2番
TEL
0242-39-3696
FAX
0242-39-3747
代表者
代表取締役社長  田口倫彰
従業員数
約400名
URL
http://www.tij.co.jp/

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