キラリと光るキラっ人さん
キラっ人さん応援企業・団体紹介
「もったいない」から生まれた完熟桃の加工を女性たちの手で
「やる人がいないなら自分でやろう」と覚悟を決めた
当社は桃を瞬間冷凍した「ももふる」をはじめ、地元で取れた果物や野菜を使った食品を製造・販売しています。「ももふる」が生まれたきっかけは、「もったいない」という気持ちでした。福島で収穫される完熟桃は最も甘くておいしいのに、傷みやすくて流通にのせることができないために、これまではジュース用に非常に安価で引き取られたり、廃棄されたりしていました。
また、桃が食べられるのは1年のうち数ヶ月だけ。しかし、加工すれば年間を通して販売して地域をPRすることができ、農家の収入源にもなります。高齢化が進んでいる農家の後継者を増やし、10年後や20年後にも「おいしい桃」を食べられる仕組みづくりが必要だと思いました。
とはいえ、当初は自分で会社を立ち上げるつもりはありませんでした。「誰かやってくれないかな」と思いながら漬物会社の加工場を借りて試作品を作っていたところ、その会社が廃業することになったので、設備や販路も含めて私が買い取ることになりました。両親、そして特に祖父からは猛反対されたのですが、「やる人がいないなら自分でやろう」と覚悟を決めました。

パワフルで高い能力をもったパート従業員たちと一緒に
幸い漬物会社で働いていたパート従業員の方たちが残ってくれたので、食品加工のノウハウを継承することができました。製造業なので、作る人がいなければ仕事にはなりません。例え私が他の人たちに作り方を教えても、今いるスタッフのようには手早く上手にできないだろうと思います。8月の桃の最盛期には20代から70代の女性が延べ10人ほど働きに来てくれます。みんな家庭に収まっているのはもったいないほど、パワフルで高い能力をもったスーパー主婦ばかりです。私は、前の会社から「従業員は家庭を優先していい」というモットーも引き継ぎました。子育てだけではなく、趣味を優先しても構わないと伝えています。「孫が遊びに来るから」と早めに帰る人もいますし、預けることができない小さい子どもを職場に連れてきて、隅のサークルで遊ばせておくこともあります。これから私に子どもができたとしたら、子どもを職場に連れてくることもあるはずなので、この職場環境づくりは私自身のためでもあるのです。

「職場でのおしゃべり」から生まれる効果
これからは「働くために何かを犠牲にする時代ではない」と思います。私は「仕事も楽しくなければ意味がない」と思っていて、スタッフといい関係を作るためにも、あまり口出しはしません。おしゃべりと笑い声が絶えない職場ですが、みんなの手はいつでも確実に正確に動いています。スタッフからの情報は本当に大切です。女性は話すことで、悩んでいる気持ちを紛らわせることもできますし、「家族の具合が悪い」というような状況を共有すればシフトで配慮することもできます。年配のスタッフが昔からの漬け物の作り方を教えてくれて、若手がそのレシピを引き継ぐような場面もあります。また、「果物の皮を剥く機械を製造している会社が福島市内にある」とテレビで見た情報を教えてくれた人がいて、早速導入したところ皮むきの時間が3分の1にまで減らせました。

福島の魅力的な食材を全国、そして世界へ!
当社の主力製品「ももふる」は、もぎたての完熟桃の香りや食感をそのまま味わえるので、桃が収穫できない地域の催事では特に好評でした。設立当初から目標にしていた海外での販売も実現したので、さらに広く商品を知ってもらえるようにPRに力を入れていくつもりです。スタッフたちも、自分たちの会社や商品がメディアに取り上げられると励みになると言ってくれます。
さらに現在は、廃棄している桃の皮の堆肥や種にある成分の開発を通じて「もったいない」を極め、循環型農業のモデル的な取り組みもしてみようと模索しているところです。福島には「ももが、ある」。農家さんも当社のスタッフも「自分たちの桃」というプライドと自信のある商品を通して、福島ならではの魅力的な食を発信していければと思います。(2019年9月取材)

基本情報
- 事業内容
- 加工品製造販売
- 企業名
- 株式会社ももがある
- 創業
- 2016年
- 所在地
- 福島市田沢字木曽内前6-8
- TEL
- 024-547-3888
- FAX
- 024-547-3887
- 代表者
- 齋藤由芙子
- 従業員数
- 8名