キラリと光るキラっ人さん
キラっ人さん応援企業・団体紹介
社会が求める「男女共同参画」の取り組みを発信、これからを生きる子どもたちの力を育てる
経験豊かな人材に長く働いてもらうために
当園は祖父が昭和27年に創設した保育園で、現在73名の園児を19人の職員で保育しています。私以外の職員は全員が女性で、経験豊かな人材に長く働いてもらえるように、働く環境を整えてきました。例えば、育休取得後の短時間勤務は法定では3歳までですが、当園は就学前まで使うことができます。複数のお子さんがいれば10年以上にわたって短時間勤務が可能で、これまで多くの職員がこの制度を利用してきました。
しかし、現在は利用者が一人もいません。それは、時短制度を利用せずに子どもが小さいうちから夫婦で協力体制を作った方が「ワーク・ライフ・バランスを実現できる」と職員が気づいたからかもしれません。例えば、女性が早く帰ると、男性の自発的な家事・育児が減ってしまう現象が起きます。育休明けからフルタイムで勤務して、家事も育児も夫婦でこなした方が、「女性が無理なく、長く仕事を続けていける」のです。このように、男女共同参画の取り組みは、女性活躍推進と切り離すことはできません。
いわき市「イクボス宣言」の第一号!
2016年に当園はいわき市では初めて「イクボス宣言」をし、翌2017年には「いわき市女性活躍推進企業の認証」を受けました。短時間でも時間休が取れる使い勝手のいい仕組みをつくるとともに、給与明細に有給休暇の残分を表記し休みが取れていない職員には、シフトを組む主任から声をかけて取得を促すようにしています。2019年4月からは、年10日以上の有休がある場合は5日以上有休を取得するようになりますので、今のうちから体制を整えているところです。
制度づくりも大事ですが、働きやすい職場にするために一番効果的なのは、「思いやり」のような気がしています。独身の職員も子どもがいる職員も「お互いさま」と、休みを取ることができて助け合える関係が理想です。全国的に保育士の不足が課題になっていて、一つの園として出来ることは限られていますが、年に4回実施している自己評価・フィードバックの面談などで働く人の意見を聞きながら、より働きやすい職場にしていきたいと考えています。
ポジティブなワンオペ育児・家事のススメ
私は妻と家事や育児は分担しています。「手伝う」のではなくフィフティ・フィフティです。私と妻は1日交代でトレーニングジムに行くので、残った方が全ての家事と育児をします。これは、ルーティンになると空気を吸うのと同じ当たり前の感覚になります。私の父は家事・育児をしませんでしたし、私も結婚した頃はスーパーの袋を持つことさえ抵抗がありました。しかし、男性が家事をすると、夫婦お互いが楽になり、気兼ねなく好きなことをできるのを実感しています。一人でなんでもやらなければならない「ワンオペ育児」が問題になりますが、毎日でなければ全く問題はなく、一通りやることで「見えない家事」も把握できるよい機会になります。
これからを生きる子どもたちは、世界中の人やAIともわたり合っていかなければなりません。今までなかったものを生み出せる人材になってほしいと思いますし、「自分で生きる力」を身につけていく必要があります。私がスーパーで買い物していると、今でも保護者の方に驚かれることがありますが、時代とともに価値観は変わっていくものです。自立できる人を育てていくために、私は率先して家事や育児の取り組みをして職員や保護者にも発信します。(2018年12月取材)
基本情報
- 事業内容
- 保育所(いわき市認可保育所)
- 企業名
- 社会福祉法人育英会 みそら保育園
- 創業
- 1952年
- 所在地
- 福島県いわき市勿来町酒井北ノ内4
- TEL
- 0246-65-7442
- FAX
- 0246-65-5001
- 代表者
- 理事長・園長 伊藤裕敬
- 従業員数
- 19名(代表者含む)