キラリと光るキラっ人さん
キラっ人さん応援企業・団体紹介
全国から研究者が集まる「大学」ならではの支援を実現 男女の差がなく、個性と能力が発揮できる環境へ
育休復帰前に経験者がアドバイス
福島大学では、政府の男女共同参画基本計画に基づき2007年に研究、教育、職場における男女共同参画の推進を宣言しました。その後、「福島大学次世代育成支援対策行動計画」と「福島大学女性活躍推進行動計画」を策定し、教職員全員が多様で柔軟な働き方を選択・実現できる職場環境づくりを目指しています。
2012年に「次世代育成支援対策行動計画(第二期)」で掲げた目標「メンター制度の確立」のために始めたのが「AngelClubエンジェルクラブ」です。これは、育休中の教職員が復帰する前に開催している懇談会(お茶会)で、本学に勤務する幼児教育専門家や出産・育児の経験がある教職員がメンバーになっています。さらに将来育休を取得したいと考えている人も参加することができ、毎回10人ほどが集まります。
大学の教員は公募によって全国各地から集まるために、身近に子育てのことを相談できる家族や知り合いがいないことが少なくありません。参加した人たちからは、「保育所探しなどで経験者の声が参考になった」という感想が寄せられています。
院生が教員の研究活動を支援
2015年に始まった「研究支援員制度」は、出産・育児・介護などで研究の時間が充分にとれない研究者を支援する制度です。事前に登録している本学の大学院生に実験補助や研究データ解析などを、週に15時間まで依頼することができます。
始まったきっかけは、男女共同参画推進専門委員会の中で、文部科学省の「女性研究者研究活動支援事業」に採択された他大学の支援事業が紹介され、「本学でも実現できないか」という意見が出されたことでした。そこで担当課が他大学の利用状況などを調査し、支援員の賃金を年間予算に計上し実現したものです。
現在は育児や介護などで男女3人の教員が利用し、子どもの幼稚園の送迎や、介護施設に入所中の親御さんの様子を見に行くための時間として活用しています。
実際に利用した教員が「ワーク・ライフ・バランスの実現に役立つ」とこの制度を広く発信してくれているので、さらに来年度は利用者が増えそうな状況です。院生は指導関係にない教員の元に派遣されるため、「改めて色々な研究手法があることが分かった」と新たな学びにもつながっているようです。今後、寄せられた要望や感想を反映させながら、より使いやすい制度にしていきたいと思っています。
男女共に個性と能力が発揮できる大学へ
課題である教職員の長時間労働については、各部署に文書を配布して周知徹底を図って業務の効率化を進め、前年度よりも時間外労働を削減できるように努めています。育休については、女性教職員の取得率は100%で男性も2016年度までに3名の取得実績があります。一方、今年度行ったアンケートには、男女ともに「子育てのための休みが取りにくい」という状況の改善を望む意見が寄せられました。また「女性活躍は周りの協力があってこそ成り立つ」という声もありました。
本学女性教員の割合を見ると16%、女性管理職は11%と全国から見ても少ない状況です。「福島大学女性活躍推進行動計画」では、2020年度までに女性教員の割合を18%、女性管理職13%以上とする数値目標を掲げています。
学長による男女共同参画の推進宣言と行動計画は、2017年度に現状に合わせた改訂を行う予定です。その内容はHPや教員公募の際など学外にも発信しながら、男女の差がなく、個性と能力が発揮できる職場であることをPRしていきたいと考えています。(2017年2月取材)
基本情報
- 事業内容
- 教育・研究
- 企業名
- 国立大学法人福島大学
- 創業
- 1949年
- 所在地
- 〒960-1248 福島県福島市金谷川1番地
- TEL
- 024-548-8008(人事課)
- FAX
- 024-548-6569(人事課)
- 代表者
- 学長 中井勝己
- 従業員数
- 約700人