質問：活動をはじめるきっかけはあったのですか？
「Love Your Work!プロジェクト」という住友ゴムグループの全社活動で「語る場」をしていて、「女性だけでやってみたら面白そうだね」という意見が出て2015年に白河工場で始まりました。社内に点在している女性同士でちょっとした悩みや困りごとを話す機会がほしかったのです。ささいなことですが、「女性用トイレに掃除用品があれば、いつでもきれいに使えるのに」と思っても誰に相談していいかわからない状態だったのです。

質問：どんな活動をしているのですか？
６つのグループに分かれて、働きやすい環境づくり、業務品質・効率向上、コミュニケーション向上などのためにさまざまな活動をしています。まずは「語る場」の開催です。わいわいと意見を出し合い会社に伝えています。２年前には「制服を変えてほしい」という意見が反映されて会社創立110年記念に合わせ全社共通で制服が変わりました。ビジネスマナー研修会や工場案内認定取得者による勉強会、ハラスメント勉強会、雛飾りや七夕飾りなどの交流活動もしています。ハラスメント勉強会は女性相談窓口8人が講師となり、全女性従業員を対象に26回実施しました。

質問：グループは部署で分けたのですか？
部署の壁を越えることが目的なので、あえて重ならないようにしています。組長と呼んでいるリーダーは指名制です。話したことがない人、世代が違う人たちと話すことができます。同じ職場では話しにくいことが話せ、他課の情報を知ることができるなど、さまざまな気づきが生まれます。

質問：参加者からはどんな感想がきかれますか？
一番多いのは、他の部署に知り合いが増えて仕事をしやすくなったという感想です。ビジネスマナーを知ることで、日頃の業務で不安ごとが減り、自信をもって対応できるようになったという人もいます。

質問：ビジネスマナーを学ぶのは、女性だけなのでしょうか。
全従業員が目にする「コミュニケーションだより」という広報誌に名刺の受け取り方や、お茶の出し方、みだしなみについて掲載し周知するようにしています。

質問：産休や育休などについての話題もでるのでしょうか
当社はかなり早い段階から産休や育休などの制度は整っていました。ここ数年は育休からの復帰は100％で、介護や生活支援休暇もあります。あらゆる制度が取得しやすく、利用しやすく、働きやすい環境は会社側が整えてくれていますので、私たちがこの活動で進めるのは、自分も会社ももっとよくするために何が必要か考え展開していくことです。

質問：今後の課題はなんでしょうか
事務職は活動への参加時間をとりやすいですが、製造ラインに入っていると時間がとりにくいということがあります。さらに小さいお子さんがいる人は特に参加するのが難しいという状況もあると思います。会社では10年後までに女性従業員を10%にすると打ち出していますので、そのためにも私たちがもっと働きやすい職場にしていきたいと思っています。（2021年10月取材）