キラリと光るキラっ人さん
キラっ人さん紹介
私の次に続く「後輩たち」のために 安心して働き続けられる未来を作りたい
- 髙野 さおりさん(株式会社日進堂印刷所)
- たかのさおり
- DP課兼ものづくり戦略室 課長代理 女性のイチオシ委員会 委員長
入社18年目。DTPオペレーター(DeskTop Publishingオペレーター …デザイナー等の指示のもと、印刷物をレイアウトする仕事)などを経て、現在は職場でデジタル印刷機(Jet Press720S)を操作する会社初の女性課長代理として活躍中。昇進したことで「仕事のやりがいを感じることが増えた」という。小学生二人を育てながら明るく前向きに働くムードメーカー。
道を切り開き、女性社員のロールモデルに
私が第一子を出産し、育休を取得したのは12年ほど前です。その頃は育休を取得する女性社員は少数で、出産イコール退社という雰囲気が社内にありました。幸い私は実家の両親の協力があったので職場に戻ることができましたが、「せっかく仕事を覚えたのに辞めてしまうのは惜しい」と思い続けていました。当時も「時短勤務」などの制度はありましたが、職場内で周知されていないこともあり、利用する人はほとんどいない状況でした。私が『女性のイチオシ委員会』の取りまとめをするようになったのは、二回目の育休から復帰して少し落ち着いた頃のことです。この活動を通して女性活躍の道を切り開き、これから出産する後輩たちのロールモデルに自分がなれればいいなと、頑張ってきました。
『ママサポート制度』で育児経験者がアドバイス
社内に「女性のイチオシ委員会」の活動が周知されるようになると、委員会は女性社員の様々な相談窓口的な役割も担うようになりました。特に多かったのが「妊娠を所属長に伝えるタイミング」や「つわりで辛い時期をどう乗り切るか」など、初産の女性社員が抱えている疑問や不安に関する相談です。しばらくは個別に相談に乗ってきましたが、時には体調が不安定な社員を介抱するケースもあったことから、就業時間も対応ができるように会社側に制度化を提案。2016年に『ママサポート』という名称で新設してもらいました。これは、妊娠中の社員に対して、出産経験がある社員がサポーターとして二人付くもので、メインとサブの担当をマッチングしています。職場が近い人、年齢や状況が近い人というように、二人の視点からアドバイスをしてもらえることもこの制度の特徴です。制度として確立したことで相談を受ける側も対応がしやすくなりました。
子育てが終わった後の人生も楽しみたいから
少しずつではありますが、当社も年々女性が働きやすい職場になってきていると実感しています。子どもが成長してからも「学童保育終了後はどうするか」など、次々と課題が出てきます。今後もみんなの声を聞いて会社に提案を伝え続けて行きたいと思います。
私の原動力は、子ども達から「ママかっこいいね!」と言われることです。取材などで私が取り上げられると、それを見た子どもたちはとても喜んでくれます。「尊敬される親でありたい」という想いがあるからこそ、今まで前に進んでくることができました。そんな子どもたちもいずれは親から巣立ちます。今、私が考えているのは定年退職した後のこと。健康で長く人生を楽しむために、これからも全力で仕事を続けていくつもりです。(2017年10月取材)