キラリと光るキラっ人さん
キラっ人さん紹介
在宅勤務を通じて感じたことは、情報共有はもちろん、さらにそれを精査することの大切さ
- 佐藤 恵さん(株式会社トーネット)
- さとうめぐみ
- 株式会社トーネット 行政事業支援部 事業推進課 係長
2011年にトーネット入社。
「必ずしも思い通りにはいかないからこそ、仕事は楽しい」と話す。
悩んだり、後悔するよりも「現実から目をそらさずに受け止め、次の策を考える」タイプ。
仕事には全力で取り組みつつ、一人で抱え込まないことで、プライベートも充実させたワーク・ライフ・バランスを実現している。
「チャンスがあるならトライしたい!」
私が所属する行政事業支援部では、県や市町村からの委託事業として福島の復興に関わる業務を行っています。その中で私が担当しているのが「再就職支援」です。就職を希望される方との面談、事業主との打ち合わせ、職場見学への同行、フォローアップなど、業務内容は多岐にわたるものです。
この仕事の内容については、4年前に就職活動で弊社を受けるまで知りませんでした。前職を辞めてから2年ほどのブランクがあり、自分自身のキャリアアップに不安を抱えながら受けた面接の場で、担当部長から「あなたに向いていそうな仕事だけれども、どう?」とこの仕事のオファーを受けたのです。その場ですぐに、「チャンスがあるなら、できるところまでトライしたい」と返事をしました。
最初は契約社員として入社し、1年後の更新時に正社員になりました。現在は係長として部下を抱えています。仕事をする上で大切にしてきたのは、与えられた時間のなかで最大限の成果を出すこと、「報告・連絡・相談」で情報を共有することです。これらは、昨年、「在宅勤務」をした時にもとても役立ちました。
家族の介護に直面、在宅勤務を経験
同居していた義母は身体が不自由で、義父が在宅で介護をしていました。突然、その義父が亡くなったことで、私が義母の介護を引き受けることになりました。
さっそく部長に相談したところ、勧められたのが「在宅勤務」でした。会社として、その制度があることは分かっていましたが、本当に使えるのか分かりませんでしたし、自分から「使いたい」とは言いだせなかったと思います。
さっそく、パソコンを会社と同じ状態で使えるようにネットワークを整備してもらい、自宅に居ながらにして書類を作成したり、自分が関わっている事業の進捗が分かる状態にしてもらいました。外出する用件があれば、必ず自分から指示を出し、部下に代わりに行ってもらうようにしました。こまめに報告をもらい、さらにそれを上長に報告するような仕事の流れを作ったことで、その間に業務が滞ることはありませんでした。
情報の精査と判断力を養う期間に
在宅勤務をしながら、義母の介護に関する手続きをして施設を探しましたが、すぐに見つかるものでもありません。それでも上司から「期限を設けずに在宅勤務してもいい」と言われたことで「また戻れる」と精神的にあせることがありませんでした。さいわい介護施設への入所が決まり、一ヶ月半ほどで通常の勤務に戻ることができました。
休職していたわけではないため、仕事の動きは把握しており、スムーズに業務に戻ることができました。今回の在宅勤務を通じて感じたことは、情報の共有はもちろん、さらにそれを精査することの大切さです。必要なポイントを見極め、誰につなげばいいのか、といった次の動きをすばやく判断する力が養われたように感じます。
今回、制度を利用したことで「いざという時にも『在宅勤務』制度を使うことで、就業の継続が可能だ」ということがよく分かりました。自分自身だけではなく、これから先、部下のワーク・ライフ・バランスを考えていく上でも、とてもよい経験になったと思っています。(2015年12月取材)