キラリと光るキラっ人さん
キラっ人さん紹介
「あなたがいるから、この店にまた来るわね」とお客様に言われるチェッカーを、もっとたくさん育てていきたい。
- 飯部 千恵さん(株式会社キクチ)
- いいべちえ
- 株式会社キクチ 販売部 チェッカートレーナー
高校卒業後30年以上サービス業に携わってきた。前の職場では結婚を機に正社員からパートにシフトチェンジ。二人の娘は、同居していた義母と夫と協力し育てた。社会人になった娘たちは、「仕事をするようになってお母さんの気持ちが分かるようになった」と話している。
パート採用の2年後に主任正社員に
チェッカーと呼ばれるレジ担当スタッフのトレーナーとして、主に新しい店舗を回っています。当社に入社したのは11年前。最初はパートとして採用されました。高校を卒業してから23年間、別の職場で販売の仕事を続けてきたのですが、会社都合で辞めることになり、同じ職種で出ていた求人に応募したのが入社のきっかけです。当社に勤め始めて2年後、「新しくできる店の主任として異動しませんか」と声をかけていただきました。その際に正社員になり、現在に至っています。
今はいわゆる教育係ですが、お客様と直接関わることができるチェッカーの仕事が大好きです。北町店(南相馬市原町区)にいた頃は、「あなたがいるから、このレジに並ぶわ」と声をかけてくれるお客様とのやりとりが仕事のやりがいになっていました。先日、久しぶりに北町店に顔を出したら、「また戻ってきてちょうだい」「会いたかった」と何人かのお客様から声をかけられて改めてうれしく思いました。
介護と仕事との両立で迷った日も
9年前に北町店に赴任した頃、実の母親が脳梗塞で倒れました。主任として責任を担うようになった立場上、休みもとりにくい状況です。母親はずっと一人暮らしで私が世話をするしかなく、「仕事をとるか、親をとるか」究極の選択を迫られることになりました。私なりにじっくり考えた結果、ひらめいたのが「職場の近くに入院してもらう」ことでした。職場と病院が近ければ、出勤前・昼休み・帰宅前の一日3回こまめに顔を出すことができます。同時進行で退院後は入所できる介護施設を探しました。結局、そちらに移る前に容態が変わって亡くなってしまいましたが、発想を転換することで、自分なりに母親にきちんと接することができましたし、仕事を続けていたからこそ今があると思っています。
一度辞めたから気づいた仕事の大切さ
あの時に踏ん張れたのは、「仕事を辞めてしまったら自分じゃなくなる」という想いがあったからです。前の職場を辞めて、1ヵ月ほど仕事をしていない時期がありました。働いている時には、「時間さえあれば、丁寧にいろんなことができる」と思っていたのに、実際はボンヤリして、これまで出来ていた家事も手につかなくなってしまいました。仕事があるからこそ、私の生活は成り立っているんだと実感しましたし、その時からは「何があっても仕事を続けていこう」と思いました。
二人の子どもも巣立って、今は夫と二人暮らしです。両立すべき家事にも余裕が出来てきましたし、力の抜き方もうまくなりました。時々、夫から「仕事を辞めたらどうするの?」と聞かれるのですが、趣味もないので「働ける限り働いていくしかないね」と笑いながら答えています。