キラリと光るキラっ人さん
キラっ人さん紹介
仕事を支えるには家族の協力、業績を上げるにはコミュニケーションが大切。
- 内野 文詠さん(株式会社福島銀行)
- うちのふみえ
- 株式会社福島銀行 岡部支店 支店長
子どもの学校行事にほとんど参加することができなかったという内野さん。一度、都合がついて授業参観に行けた時、子どもが見せてくれた笑顔が忘れられないと話す。「だからこそ、職員にはぜひ参観に行ってきて、と伝えたいですね」。
夫の父母の協力があったから続けられた
高校は商業科だったので、当時は多くの同級生が金融機関に就職しました。その中の一人としてなんとなく銀行に勤め始めました。入行したばかりの頃は、窓口で「愛想がない」とお客様に注意されてしまったりすることもあって、向いていないのかな?と落ち込むこともありました。それでも続けるうちに、銀行業務の緊張感や達成感に手応えを感じるようになってきた気がします。私は忙しいくらいが好きで、仕事に夢中になっているうちにあっと言う間に時間が経ってしまうと、「あぁ充実した1日だったな」と実感する日々を過ごしてきました。
これまで続けてこれたのは、同居していた夫の父母が子育てに協力してくれたからです。銀行の業務は7時を過ぎることも多く、認可保育園のお迎えには間に合いません。私の世代で仕事を続けている女性は、親世代に子育てを協力してもらっている人ばかりでした。
「介護サービスを使えば辞める必要はないですよ」
「仕事を辞めなくてはならないかな」と思ったことが一度だけあります。10年ほど前、夫の母が認知症になりました。夫の父はその数年前に亡くなっていたので、日中は家に一人になってしまいます。そこで、私が当時働いていた職場の支店長に相談したところ、早く帰れるように配慮してもらえることになりました。
夫も一緒になっていろいろと対策を考えてくれましたし、ケアマネージャーさんにも「介護保険のサービスを使えば、仕事を辞める必要はないですよ」と応援してもらいました。ホームヘルプサービスやデイサービスを利用しながら、在宅での生活を続けたのですが、上の子どもが進学で家を離れた数ヶ月後、急に病気で亡くなりました。孫の成長が大きな張り合いになっていたことを実感すると同時に、今まで家族みんなを支えてくれたことに心から感謝して見送りました。
女性経営者と悩みを共有しながら
子育ても介護も終わった頃に出張所の所長を経験させてもらい、その後、支店長育成を踏まえた「女性プレミアム研修」の受講に声をかけていただきました。
長い間、窓口業務だったので渉外活動は未知の世界です。実際の渉外担当者に同行しながら、話し方などといった基本的なことから学ばせてもらいました。
支店長を命じられ「自分なりに、できることをやるしかない」と一歩踏み出すと、意外にお客様からもすんなりと受け入れてもらえたことに驚きました。前任の支店長が、各方面に丁寧に引き継いでくださったおかげだとありがたく思っています。
支店をまとめ、業績を上げていくのに大切なのはコミュニケーションです。女性職員には自分の経験を通じて伝えるのは難しくないのですが、男性職員とのコミュニケーションには正直迷うこともあります。仕事を通してお付き合いのある女性経営者の方たちとの間でも、その話題がのぼることもあります。いろいろと教えていただきながら、働く女性ならではの情報の共有などもできればいいなと思っています。(2016年1月取材)