キラリと光るキラっ人さん

キラっ人さん紹介

心から信頼できる人たちに「お母さん」の役割を託して

  • 紙谷 瑞恵さん(株式会社ユアライフ)
  • かみやみずえ
  • 専務取締役

福島市出身。医療機関などで作業療法士として働いていたが、2009年に株式会社ユアライフ入社を機に夫の生家である浪江町に転居し、義両親と同居。東日本大震災による避難により大玉村などを経由して福島市に落ち着いた。入社後に介護福祉士、介護支援専門員、認知症ケア専門士の資格も取得。代表の鈴木さんの実娘。

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利用者の笑顔がうれしい大好きな仕事

 現在は立場上、事務方の仕事が多くなってきましたが、利用者さんと直接触れ合える介護現場の仕事が好きで、時間の許す限り利用者さんのそばにいます。なかでも一番好きなのは入浴介助です。例え利用者さんがおむつを外して汚してしまっても、「さっぱりした」と笑顔になるのがうれしくて、やる気がみなぎってきます。バシッときれいになった時は「よかったね」と思います。
 コロナ禍で直接ふれあえる機会が減っていますが、人の手から伝わるぬくもりはかけがえのないものです。私はもともと作業療法士なので、さらに資格を活かせるようなリンパマッサージの勉強もしてみたいと思っています。常々、利用者さんには「自分で動かないと筋肉がつきませんよ」と伝えているのですが、誰かに背中に手を置いてもらうだけで安心することが実際にあります。認知症の対応の視点からも、ふれあうことで世界が広がるのではないかと思っています。

家族にもいろいろな形があっていいはずだから

 当社に入社したのは、子どもが3歳の時に夫が亡くなったのがきっかけです。1年間は福島市で親子二人暮らしをていたのですが、仕事と子育ての両立は簡単ではありませんでした。気持ちに余裕がないと子どもに強くあたってしまうこともあり、「このままでは子どもに良くない」と亡夫の両親に子育てを全面的に手伝ってもらうことにしました。定年まで働いていた義母は「仕事の大切さと大変さ」を理解してくれたので、私は思い切って仕事中心の生活に切り替えました。
 もともと自分自身もおばあちゃん子で、看護師の資格を取るために母が勉強する姿を見ながら育ちました。母が自分の好きな仕事をしている姿、少しずつ自信をつけていく姿が輝いて見えたのを覚えています。いわゆる「お母さん」の役割を、信頼できる人に託すことの良さを自分の体験で知っていましたので、家族にもいろんな形があっていいと割り切って前に進めました。

働く母親を肯定的に受けとめてくれたうれしさ

 利用者さんの急変があったり、急に出勤できなくなった職員の代わりを務めたり、私の勤務は不規則で時間が読めません。それでも、子どもが私の仕事を応援してくれるようになったのは、義父母が深い愛情で接してくれたおかげです。東日本大震災の後は、1年間ほど一緒に暮らせない時期もありましたが、まっすぐに育ってくれた子どもは今16歳になりました。最近は、グループホームで利用者さんの輪に入り、自然に利用者さんとの会話を楽しんでいることもあります。会社の代表である母に対し、「自分の代までつないでいてほしい」と話していたこともあるようです。
 私たちの仕事の楽しさや、やりがいが子どもに伝わっていたのは、とてもうれしいことでした。子どもが母親が働くことを肯定的に受け止められる環境があれば、女性はもっと活躍できるのではないかと思います。(2022年2月取材)

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